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Posted by TI-DA at

2014年12月20日

バリ修行編3〜踊りはツライよ〜

バリのガムラン音楽の多くは舞踊と共に演奏され、
踊りの動きが音楽のノリに影響を与えることもあります。
Sも少々バリの踊りを習ったことがありますが、
これが演奏の練習とは違ったツラさが…。

バリの舞踊はアグムという「型」が重要で、
背中、手首、腰をそらし、膝をまげて中腰になります
(ポーズは過去の記事やフェイスブックの写真を参考下さい)。
型が上手くとれるようになるまで、何度も繰り返しポーズをとらされます。
終わった後は、階段が降りられないほどの筋肉痛に。

テープの音楽にあわせて練習するのですが、
Sが習ったバリの先生は1分程のフレーズを繰り返し練習させ、
型が崩れると「痛いね〜ごめんね〜」と後ろから羽交い締めにし練習続行。

そして私の練習中にお客さんが訪れるとバリ語で
「この子は演奏者だから(…あまり踊りが上手くないのよ)」と言っているのが聞こえる始末(涙)。

踊りはあまり上手くなりませんでしたが、10年以上経った現在、踊りの呼吸というものが

理解できるようにはなったかな。

「舞が描くもの〜バリのかたち 琉球のかたち〜」の公演では、
琉球舞踊太圭流の舞踊家の皆さんと共演しますが、
バリの音楽や舞踊との共通点や違いなど、
観客の皆さんにお伝えできたらと思っています。
  

Posted by バリコバリオ at 10:53Comments(0)ガムランとは

2014年12月14日

バリ修行編2

 前回書き忘れましたが、広報部長Sは、バリの芸術大学に2年程留学していました。
留学といっても、外国人は授業を聴講するのみで単位は与えられません。
留学生の多くは、学校で芸能を学ぶよりも、プライベート・レッスンで音楽や舞踊を学んでいます。
Sも学校の授業だけでは、満足に練習することができないので、
ゴング・クビャールとグンデル・ワヤンという二つの楽器を習っておりました。
 留学当初、Sは芸術大学で「儀礼曲」の実技の授業に参加していたので、
大学のアンサンブルに混じれるように、レッスンでも授業と同じ曲を習う事にし、
写真の前にあるトロンポンという主旋律を担当する楽器を練習していました。

するとある日先生が、「来週、家で儀礼があるからその時トロンポンをひきなさい」
と突然言い出しました。

S:え、いやあ、自信ないので…また次の機会がいいんですけど。
先生:人の前で弾かないと上手くならないから、弾きなさい。
S:は、はい。じゃあ、あの〜他の演奏の人との合わせは?いつやるんですか?
先生:そんなの無いよ。家の小さい儀礼だし。
S:エッ!?
先生:大丈夫だ。いつも二人で練習してるだろ。自分もサポートするし。
あ、だけど絶対、旋律間違えないように。
Sが間違ったら演奏がバラバラになるから。いいか、間違えちゃだめだぞ。
S:え? あ、はい。

このとき、私は「ちょっと間違ったって、みんなバリ人で経験者だし大丈夫だろ」
と思ってましたが、しかしこれが甘かった!!

儀礼当日、先生が私の横に来て「S、次から演奏に参加しなさい。
でも自分は儀礼の最中に聖水をもらうことになったから、演奏に参加できない。
おじいさん(先生のお父さん)がいるから、いざとなったら、おじいさんに頼りなさい」と言い、
「おーい、次、この子にトロンポン弾かせてあげて」
と他の演奏者に呼びかけ、その場を離れる先生。

おじいさん以外の人は、ほぼ初対面。Sは緊張しながら曲のイントロを弾き、
他の楽器の音が「ジャーン」と鳴ったあと…
 いつも先生と二人だけで練習していたSは、他の演奏者の音に驚いてテンポを見失い、
手がとまってしまいました。そしたら、なんと、他の演奏者も私につられ、演奏がとまりそうに。
焦るS。助けを求めおじいさんを見ると、おじいさんは目を見開き、驚いた表情を浮かべるだけ。
次に、演奏グループのリーダーに視線を向けると、
「チッ、お前わかんないのかよ!」というような冷ややかな顔をされましたが、
なんとか助けてもらい、演奏は止まらず続けることができたのです。

演奏終了後、先生に
「儀礼曲は、みんな曲を覚えているわけじゃなく、トロンポンのメロディーを聞き、
それに反応しながら弾いている。だから間違えちゃ駄目だっていったんだ」
……はい。本番でしっかりと学ばせて頂きました。
間違えちゃいけないことを。そして楽譜がない音楽は、音に反応し、ついていく能力が必要だということを…。

トロンポン
一番前の楽器がトロンポンです
  

Posted by バリコバリオ at 09:46Comments(0)ガムランとは

2014年12月11日

バリ修行編1

 今回からマタハリ・トゥルビット広報部長Sの
「バリでのガムラン修行」について何回かにわけ紹介していきます。

 バリのガムラン音楽は、基本的に楽譜を使いません。
楽譜がないため、新しい曲を習得する時、バリの人々は先生から曲を習ったり、
市販されているカセットテープやCDから「耳コピー」して曲を覚えます。
が、日本人であるワタクシは曲の全てを耳コピーなんてできないので、
先生とマンツーマンでお稽古をして曲を覚えました。
お稽古は先生が曲をワンフレーズ弾き、
覚えるまで同じフレーズが繰り返すという方法がとられます。
マンツーマンで教えてもらうと自分のわからない所を繰り返し練習できるという利点があります。 

 ところが覚えられないときは地獄…。
何度も同じ所を繰り返すはめになり、先生には「まだ覚えないのかよ〜」という表情をうかべられ、
その表情をみてビビリ、余計覚えられなくなるという負のスパイルに陥ることも度々ありました。
そのような気まずい状況になると、先生のご家族がお茶を持ってきて、練習は休憩となります。

 バリの人々は先生一人に対し、数人で曲を習うので、効率よい練習とはいえませんが、
曲を覚えられる人が一人でもいると、その人に隠れて弾けてるフリができ、
先生の怒りも分散されるという利点もあります。

 そのようなお稽古を経て、何曲か弾けるようになると、
外国人でも寺院などの儀礼に参加させてもらえる機会があり、
ガムランの演奏デビュー!!になるのですが、
私はその演奏で苦い経験を幾つかすることになりました…。

続きはまた次回に…  

Posted by バリコバリオ at 19:47Comments(0)ガムランとは

2014年12月06日

バリの音楽について

こちらのブログを見た方から、
「ガムランとはどういう意味?ガムランって踊りも含めてガムランなんですか?」
との質問がありましたので、今回バリの音楽について少し紹介したいと思います。

 「ガムラン」とは主にインドネシアで演奏されている打楽器アンサンブルの総称です。
ガムランという名称は「叩く」を意味する
「ガムルgamel(古代ジャワ語)」という言葉から派生しています。

 インドネシアの中でガムランが盛んに演奏されているのは、ジャワ島やバリ島で、
マタハリ・トゥルビットが主に演奏しているのはバリ島のゴング・クビャールというガムランで、
このような楽器です。

ガンサ_きじむな~

ゴング・クビャールは写真の前側にある太鼓やシンバル、青銅製の鍵盤楽器などがあります。
 
バリの音楽は、バリの人々の生活に深く根差しており、
寺院の儀礼、結婚式、娯楽などで演奏されますが、多くの場合、舞踊を伴います。

 特にゴング・クビャールは、バリの集落の集会場に置かれ練習されている
代表的なガムランです。

クビャール2


おどりとクビャール

  

Posted by バリコバリオ at 10:35Comments(0)ガムランとは